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勤務申請の集計を自動化したら、入力ミスが表に出てきた話
集計の自動化で得られたのは、時間の短縮だけではありませんでした。それまで通っていた入力のまちがいが、表に出るようになりました。
集計の自動化で得られたのは、時間の短縮だけではありませんでした。それまで通っていた入力のまちがいが、表に出るようになりました。
自動化の効果は、たいてい時間で語られます。実際に導入してみると、それ以上に効いたのは「人が見ていたときは通っていたものが、通らなくなった」ことでした。
この記事では、何が見えるようになったか、見えたあとどこで止めたか、切り替えをどう進めたかを書きます。
前提
語学教育の会社です。講師の方が月末に勤務の申請を出し、事務のご担当がそれを数え直して集計しています。講師は40名を超えます。
申請は表計算のシートに、開始時刻と終了時刻を入力する形でした。入力欄に制限はなく、自由に書けます。
自動化して分かったこと
自動で集計する仕組みに替えて、動かしてすぐ、おかしな数字が並びました。
8時から21時30分まで。13時間労働。人が目で見ていたときは、そのまま通っていた申請です。
まちがいが増えたわけではありません。もともとあったものが、見えるようになっただけです。
数え直す作業は、40名分あります。1人あたり十数行、月末に一気に処理します。
この状況で、1件ずつ「この時間は現実的か」と判断するのは無理があります。目的が集計だからです。数字を足すことに集中していると、数字そのものの妥当性までは見ません。
機械は違います。合計を出すついでに、外れた値も並べます。人が疲れる部分を機械へ回した、という言い方が近いかもしれません。
外れた値は、大きく3つに分かれました。
終了時刻を翌日として書いていたもの。開始と終了を逆に入れていたもの。そして、別の講師の行に上書きしてしまったもの。
どれも、書いた本人には悪気がありません。入力の欄が自由だから、こう書けてしまうだけです。
見えたあと、どこで止めるか
見つけてから直すのでは遅い、と考えました。集計の時点で気づいても、その月の締めには間に合いません。書いた本人に確認する時間も要ります。
そこで、入力の時点で止まるようにしました。
やったことは2つです。
手引きに、時刻の書き方と、日をまたぐ場合の扱いを足しました。これまで口頭で伝えていた内容です。
あわせて、シートの一部を編集できないようにしました。講師名の列や、計算式の入っている列です。上書きの事故は、これでほとんど無くなりました。
数え直す側の手間より、書く側の迷いを減らすほうが先だと判断しています。
外れた値が並ぶと、書いた人を探したくなります。ここは意識して避けました。
見つかったものは、その月に急に増えたわけではありません。ずっと前から同じ頻度で起きていて、たまたま今まで表に出ていなかっただけです。個人の注意不足として扱うと、次から申請そのものが出てこなくなります。
事務のご担当と話して、一覧は「入力欄の直しどころを探すための材料」として扱うことにしました。誰が書いたかの列は、確認のときだけ見ます。
切り替えの進め方
切り替えは一度にやりません。1か月は手作業と自動の両方を動かし、結果を突き合わせました。
合わない箇所を1件ずつ確認してから、翌月に自動だけへ移ります。
この1か月があるから、自動側の数え方が正しいと言い切れます。
いきなり切り替えていたら、数字が合わないときにどちらを信じるか決められません。「前は合っていたのに」と言われて、確かめる方法が無い状態になります。
実際、突き合わせで見つかった差は数件でした。原因はどちらも自動側ではなく、手作業側の数え漏れです。この結果が出たことで、切り替えの合意も早く取れました。
完全に切り替えたあとも、しばらくは確認を厚めに残しました。
翌月までは全件を目で見る。その次の月からは、外れた値だけを見る。この段階を先に決めておくと、「いつまで確認すればいいのか」が曖昧になりません。
次にやること
いまは締め日にボタンを1つ押すだけになりました。ただ、その後の作業は残っています。
集計した結果を給与の計算に渡し、支払いの一覧を作る。ここはまだ人が手を動かしています。次は、銀行へ登録する形式のデータを作るところまで進める予定です。
一度に全部を自動にしないのは、確認できる範囲を超えないためです。集計が正しいと言い切れるようになってから、次の工程へ進みます。
外れた値を見つける条件は、最初から完璧には作れません。
動かしてみると、想定していなかった書き方が出てきます。実際、日をまたぐ勤務の扱いは、運用を始めてから足した条件です。
先に作り込むより、見つかるたびに足すほうが結果的に早く仕上がります。
まとめ
自動化の効果は、時間だけではありません。
人が見ていたときは通っていた入力が、通らなくなります。それは新しい問題が増えたのではなく、もともとあった問題が見えるようになったということです。
見えたあとは、集計の側で直さず、入力の側で止める。そして切り替えは、1か月の並行期間を挟む。この2つで、移行はかなり静かに済みます。
毎月手で数えている作業があるなら、その数字を誰が確認しているかを聞いてみてください。答えられる人がいないなら、そこが出発点になります。
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